
STORY[6-4]
次に訪れたのは不気味な墓地でした。死んだ人が自分の墓の中に青い鳥を隠しているという噂を聞いたからです。時計が夜中の12時 を打つのを待ってチルチルがダイヤを回しました。十字架がゆるぎ、 土が口をあけ、墓の台石がもちあがりました。何が飛び出すのでしょう。 固唾をのんで見守るみんなの前に、思いがけない風景が広がりました。 しおれた花が美しさを取り戻したのをきっかけに、あたりは一転して はなやかな空気に包まれました。贅沢な宴が始まったのです。たくさん のごちそう。美女をはべらせ、宝石で飾りたて、心地よい音楽が響き ます。お金持ち、地主、たらふくお酒を飲み、必要以上に眠りをむさぼる。 そんなぜいたくにおぼれた人たちはチルチルを誘います。 先にテーブルに座ったパンやイヌたちは食事に魂を奪われてチルチル の言うことも聞かなくなってしまいます。あわててチルチルはダイヤを 回しました。すると、どうでしょう。ぜいたくたちは一斉に小さな穴に逃げ こみ、代わりに、あたりは何ともいえない清らかな光で満たされ始め ました。いつしか天国へ導かれたのです。 「青い鳥はどこにいるの、青い鳥さえつかまえられたら幸福になれるのに」 そう問いかけるチルチルは、世の中には人間が考えているより、もっと たくさんの幸福があることを教えられます。なかでも「母の愛の喜び」が 最高だと教わると、チルチルの目の前にお母さんがあらわれ語りかけ ます。どんな悲しいときでも子供とキスさえすれば涙は星に変わる。 どこでもチルチルがお母さんにキスする所は天国なんだよ」。お母さんの 限りなく美しい愛に浸ることが最も大きな幸福であることを知るのです。 |